ARCで日本語を教えているミミ先生が、みなさんの日本語や日本文化の質問に答えます。
Q:乗り物なのに「あそこにタクシーがいる」と言いますが…。
A:
前々回は「兄弟が3人あります」という、人なのに「あります」を使うことについての質問でした。今回は、人じゃないのになぜ「います」か、という質問ですね。たしかに、タクシーは「乗り物」なので不思議に思うかもしれません。
ここで、人(=運転手)が乗っていて、いつでも走り出せる状態のタクシーをイメージしてみてください。この場合、人と同じように意志をもっていると考えられます。だから、物のように「ある」ではなく、「いる」を使うほうが自然なんですね。
バスや電車なども同じで、「ちょうどバス停にバスがいるから乗ろう」などと言います。でも、「タクシーがある」という言い方もあります。ちょっと、駐車場に止まっている、だれも乗っていないタクシーを想像しましょう。それは走らない「物」と考えるのです。