このコーナーでは、在校生が書いた作文をご紹介していきます。
恥ずかしくない?裸で入る日本の温泉
カク シュウライ(中国)
みなさん、初めて日本の温泉に行った時の様子を覚えていますか?私は決して忘れません。5年前、初めて日本を旅行して、伊豆の温泉に行った時、水着を持っていきました。でも、更衣室でみんなが服を全部脱いで、裸になっているのを見て、びっくりしました。
中国の南部出身で、そこでは温泉には水着を着用するものだと思っていました。だから、これまでにこんなにたくさんの裸の男性を見たことはありませんでした。
私が裸で温泉に浸かりながら、ふと疑問に思いました。「恥ずかしくないの、みんな?」
日本人は普段、とても控え目な印象を与えることが多いです。自分の感情を簡単に表現することを嫌い、もちろん身体をさらすことにも慎重です。でもここでは、なぜ裸でも恥ずかしくないのでしょうか?
当時の私は理解できませんでしたが、現在は日本に住んでいて、たくさんの温泉や銭湯に行って、少しずつ答えを見つけました。
日本人は制服が大好きだと言われていますね。学生服や職業服だけでなく、特定の場所では適切な服装を着ることを、非常に重視します。山登りの時はランニングシューズを履いてはいけません。釣りの時はゴルフ帽子をかぶってはいけません。スピーチ大会の時は…まぁ、ポケモンのTシャツを着ない方がいいですね(着たいんですけど)。つまり、乱れた格好は絶対許されないのです。
実は、温泉に入るときも、制服があるんですよ。そういう制服は、何も着ないこと、つまり裸なんです。
水着を着ていたら、まるでサッカー日本代表の試合を見に行く時に大谷翔平のユニフォームを着ていくような変な感じです。なぜなら、制服を間違えてしまったからです!
さらに、もう一つ気づいたことがあります。それは、温泉や銭湯で、他の人が私を見ていないことです。
みなさん、恥ずかしさを感じるのは、自分の身体が他人に見られることを恐るからでしょう。しかし、温泉や銭湯では人と人の視線を交わすことはまったくありません。だからあの壁にはいつも富士山が描かれているんですよ。みんなの目に留める場所があるようにするためですね。(笑)
その瞬間、私は突然理解しました。実は、私の身体は誰も見たがっていないんですね。私の「存在」は、自分が想像していたほど重要ではなかったんだということに気づきました。
それで、私も恥ずかしくなくなりました。
みなさん、これこそが裸の意味ではないでしょうか?